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ノンシュ開発の経緯 アーカイブ

2007年06月21日

便臭口臭消臭剤『ノンシュ』開発の経緯

理学博士 大野 秀隆

悪臭の根本的除去を目的に
 カメリアコンク(「ノンシュ」の原材料)は、にんにく等の悪臭を根本的に除去する目的で開発されました。
 「臭」は一般に悪臭・異臭などとよくない香りに使われています。においは味と共に化学的感覚の一つとみなされており、においを感ずる場所は嗅(キュウ)上皮という粘膜組織でして、鼻腔に面して多数の嗅細胞が存在しています。この嗅細胞が刺激されるとその信号が脳に伝えられて、においの感覚である嗅覚が起こります。
 嗅細胞を刺激するものは、ある物質から拡散した揮発性の微粒子(気体や蒸気の状態になった物質)で、これが空気と共に鼻腔内に入り、嗅上皮表面の粘液中に溶け込んで嗅細胞を刺激します。

 このように、においはまず嗅細胞面へ、におい粒子(分子)の吸着と化学反応が興奮をおこさせることが必要で、一般に水溶性・類脂質溶性かつ揮発性の物質が強い嗅物質の分子内に存在します。すなわち水酸基・エステル基・ケトン基・フェニール基・ニトロ基などで、これらを嗅原子団もしくは発香団といいます。また一方、炭素連鎖中不飽和結合や分枝も助香効果をもちます。

悪臭はみんなの迷惑
 私達は朝起きてから夜寝るまで、いろいろなにおいを軽験します。すなわち毎日様々なにおいにさらされて生活しています.甚だしく不快な臭いの場合、患わず顔を背けるといった嗅覚−−−体反射を生じるし、嘔吐反射さえも誘発します。このようなにおい刺激と脳機能や身体的影響については割愛させていただきますが、におい刺激が気分を良くしたり悪くしたりします。悪臭は精神生理学上からも除去する必要があります。
 悪臭は公害対策基本法で公害とされており、悪臭防止法(昭和46年・法律第91号)でアンモニア、硫化水素など8つの物質を悪臭の原因物質と定めており、指定地域内の工場や事業所から排出されるこれら8物質について排出基準が定められています。

『ノンシュ』開発の経緯-2

にんにくの悪臭について
 さて、悪臭の代名詞とされているにんにくは大変美味であり、食物の味を良くするために各種の料理に用いられますが、強烈な刺激臭・悪臭がいつまでも口中等に残存し、他人に迷惑をかけ、嫌われ、人間関係を悪くします。歯磨きでこすっても、うがいをしてもとれません。従来の口臭消臭剤はすべてマスキングタイプ(悪臭を他の香りでおおいかくす遮蔽タイプ)であり、ほんの一時的な効果しかなく、口臭の解決にはなりません。そこで、このにんにくの悪臭による口臭を根本的に除去し口臭を解決する目的をもってノンシュが開発されたのです。

 実際口臭はたまらないものです。恋も一瞬にしてさめてしまいます。クレオパトラや楊貴妃に口臭があったら……多分世界の歴史は変わっていたでしょう……。「わが身の臭さわれ知らず」で案外自分は知らない場合が多く、家族や友人から教えられてはじめて気がつき、今度はいつも気になってノイローゼになる人もいます。

 にんにくの成分は無臭結晶性のアリンAlliin   C6H12N02Sで、これが細胞の破壊や死滅で酵素アリナーゼAllinaseの作用を受けて強烈な強臭刺激性のアリシンAllicinを生じ、にんにく特有の悪臭を発します。

 にんにくは香化学的には20種類位の化学成分が考えられ、そのいずれもがメチル基や
ジメチル基またはメチルアリル基やジアリル基を有しています。
(例)メチルメルカブタン、ジメチルスルファイド、ジアリルスルファイド、ジメチルジスルファイド、メチルアリルスルファイド、メチルアリルジスルファイド、ジメチルトリスルファイド、ジアリルジスルファイド、メチルアリルトリスルファイド、その他

悪臭成分をほかのものにしてしまう物質を研究
 にんにくの悪臭を根本的に解消するためには、これらの悪臭成分に何らかの化学的変化を起こさせ、他のものに変換させるかもしくは著しく減少させなければなりません。

 においの質は濃度で異なり、濃厚な場合は悪臭でも、微量の時には快感をおこすことがあります。たとえば糞便中の不快臭インドールもきわめて希薄なときは快香を放ち、香料の製造にも用いられています。さらに一般に人間の喚覚は他の動物に比べて著しく劣りますが、それでもメルカプタン(メルカプト基−SHをもつ有機化合物 RSH をいう。Rはアルキル基〔炭化水素基〕)に対しては空気中1009〜1010mg/lの微量でも感じるから精密機械も及ばない精度をもっているといえます。

 また、そのような物質は、口腔をはじめ体内に用いるものですから、絶対に安全性が保証されなくてはなりません。

『ノンシュ』開発の経緯-3

様々な効果の組み合わせで総合的に大きな効果を
 以上の観点からノンシュは、酵素類、ビタミン類および植物成分から構成すべく企画し、緑茶をはじめ食用植物(野菜類並びに果物類)のエキスと水溶性のビタミン類で組み立てました。
 植物エキスは血流増加、抗炎症、収れん性といった効能効果を有し、その効能成分は配糖体(サポニン→体内のコリン作動性を高める。副腎皮質の機能を高める)、硅酸(結合組織の緊縮効果)、サリチル酸(抗炎症効果)、ムチン(抗炎症効果)、その他であり、浸透性の強化並びに機能賦活の作用があります。
 植物エキスには、次のような成分が考えられます。
 植物エキスの成分:有機酸・脂質・タンパク質・配糖体・炭水化物およびその近縁頼・酵素・ビタミン・タンニン・トリテルペノイドおよびトリテルペノイドサポニン・強心配糖体
 各種植物の複合エキスは単独使用ではみられないような相乗的効果が発揮されます。
 植物抽出成分は主に酵素含有量並びにフラボノイド(Flavonoid)類・アントラキノン類などの水酸基(OH基)の収れん性と抗酸化性をもとに考えました。

酵素とその働き
 生体内における化学反応は酵素によって触媒されます。酵素分子には直接に反応に関与する活性中心があって、この部分が反応に関与する基質の構造と密接に関連して高度の基質特異性をもった触媒機能を果たします。
 a)酸化還元酵素→① 脱水素反応を行なうもの
         ② 酸素を受容体とするもの
         ③ 過酸化水素を受容体とするもの
         ④ 酸素を添加するもの
 b)転移酵素  →① 水酸基以外の基を他の基質に転移するもの
         ② アシル墓を転移するもの
         ③ グルコシル基を転移するもの
         ④ アミノ基を転移するもの
         ⑤ 燐酸を転移するもの
 c)加水分解酵素 → 加水分解を行なう酵素
 d)異性化酵素 → 光学異性・幾何異性・位置異性などの相互転換を行なう酵素
 e)そ の 他

ノンシュに含まれるビタミンと主な生理作用
 ノンシュに配合されている水溶性ビタミン類の主たるものとその生理作用は次の通りです。
 B1 → 補酵素(コカルポキシラーゼ)の成分として糖代謝に関与する。消化液の分泌を促進し、消化管の緊張を保ち食欲を増進させ、神経の働きを調整する。
 B2 → フラビン酵素の構成成分として細胞内の物質代謝に関係する。
 ナイアシン → 補酵素の構成成分となり、フラビン酵素と共に細胞内の物質代謝に関係する。
 B6 → 体内のタンパク質や必須脂肪酸の利用に関係する。
 パントテン酸 → 補酵素(コエンチーム)の構成成分として熱量素の代謝に関係する。
 C → 細胞内の呼吸作用に触媒として作用する。またコラーゲンの生成を増し、細胞間の結合組織を強化する。その他副腎皮質ホルモンや髄質ホルモンの生成や利用にも関係するし、病気に対する抵抗力を増す。
 以上のようにビタミン類は生体内で補酵素的な生理作用を有しますし、発香団のような反応基に影響を与えると共にビタミンCは強い還元力を有します。

『ノンシュ』開発の経緯-4

ノンシュのにんにく(患臭)消臭効果
 緑茶並びに食用植物類のエキスと水溶性ビタミン類の種類および配合比を綿密に検討し、ノンシュの原材料であるカメリアコンクを作り上げ、多人数による人体実験を行なった紡果、驚嘆するような有効性を示しました。そこでカメリアコンクを東大工学部化学工学科に持ち込み、ガスクロマトグラフによる分析でにんにく消臭効果につき検査を依頼しました。

 検査場所:日立製作所応用技術センター
 機  種:163FPD
 測定条件:にんにく6片分をみじん切りにして、それに水25nlを加える。
       密栓して1時間放置後、水の部分を10mlずつAとBに分けてとる。
      (AとBは栓付試験管で栓には溝を切っておき、ガスタイトシリンジで
       ヘッドガスを採取して注入する)
       Aにはさらに水1nlを加える。
       Bには2%にうすめたOS液(ノンシュSの原液)1mlを加える。
       DATA No.1→にんにく臭そのもの(Aから1nlガス採取)
       DATA No.2→消臭液(ノンシュ)を加えた後のもの(Bから1mlガス採取)
       DATA No.3→No.2より放置時間の長いもの(Bから1mlガス採取)
 測定目的:ピーク形状
 以上の分析検査の結果、別紙(1)のような所見と評価を東大工学部より受けました。

ノンシュのにんにく消臭効果の作用機序
 このようなノンシュの消臭効果は、ノンシュ中のどの成分によるかは特定できません。ノンシュの全体的な成分が、総体的に相乗的に働いて効果をもたらしているのです。そしてにんにくの悪臭について、次の5つの項目を満足させているものと推測されます。
(1)アリシンの構造に変化を与えて臭いを除去する。
(2)アリシンをアリチアミンとして、その吸収を促進させる。
(3)アリシンの悪臭主体である発香基(アリル基)を分解する。
(4)強刺激臭を有するガーリックオイルを吸着してコロイド粒子とする。
(5)にんにくの強刺激臭を打ち消す、特有な臭波長を持つ天然食用植物抽出エキスが作用する。

ノンシュは悪臭成分を根本から無くしてしまいますので、その効果は長時間持続します。

ノンシュ効用の進展 大便臭、ペット臭の消臭へ
 最初に開発したOS液を用いた口臭消臭製品(エチケットグミ、エチケットビュー、エチケットスプレー)の愛用者から、「口臭・胃臭が消去できるのなら、下の悪臭も何とか消去できないものか。今親が寝たきりになり、下のお世話をしているが悪臭でほとほと困っている」との訴え嘆願がありました。平均寿命が延び、高齢者人口が増加する社会にとって、このような介護用品は本人並びに介護者にとって必需品であり、もし可能ならば世の中のためになるものと思い、OS液を用いた排便消臭剤の開発に取り組みました。

 大便は水分65−85%、食物の未吸収残査(繊維や種子等)、腸内分泌物(胆汁色素・酵素・粘液等)、消化管粘膜細胞のとれたもの、白血球等の細胞成分、消化管中に排泄されたもの(カルシウムや鉄等)および腸内細菌(死菌)から成り立っています。
 大便はこれら不消化物から結腸で水分が吸収されて下行結腸の下端で蓄えられます。その量は通常一日75−170g(平均110g)です。

大便の悪臭はからにとって有害物質
 大便の悪臭はインドール、スカトール、硫化水素が主体で、いずれも主として動物性タンパク質が消化分解されたアミノ酸(トリプトファン)が腸内細菌(大腸菌・プロテウス・一部のバクテロイデスクロストリジウム)により分解されて生じます。これら大便の悪臭は身体にとって何ら価値が無いどころか有害物質です。

 OS液から進化したノンシュSを腸溶錠(大便が形成蓄積される箇所で溶けて内容物が働く錠剤)とし、老人ホーム、介護施設等に依頼して効果テストをしたところ、非常に良い結果を得、製品化の要望を受けました。現在「ノンシュS」の商品名で、要望に応え社会の役に立っています。
 その他、家畜・ペット用や生理臭等悪臭の消去に役立てたく開発を進めています。私の夢はノンシュで世の中から悪臭を無くし、社会の役に立つことです。
以  上

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